過去10年間の歴史を振り返ると、AutoCAD LTによる裾野の拡大とアプリケーションメーカーの買収により、Autodesk社がCAD市場で売り上げ、時価総額ともNO.1となる。 この Autodesk社の最大の正念場が、このVisio社との戦いであったように思われる。 当時、Autodesk社は設立15年程度で、売り上げも4-5億ドル。一方、Visio社は、1990年初頭の設立の急成長ベンチャー企業で、売上げは Autodesk社の半分以下。しかし、ユーザー数では Visio が AutoCAD をすでに超えており、時価総額は、Autodesk 社に勝るとも 劣らない状況。 結果的に Microsoft 社の Visio 買収が、手ごわい競争相手を消滅させることになり、2次元CAD市場で Autodesk 社の独り勝ち状況 を生むことになった。その後、オープンソースになったとはいえ、IntelliCAD は大きなパトロンを失い、開発計画も大幅な縮小を強いられることになる。その結果、欧米では、 "IntelliCADは、過去に話題となった終わった商品" というイメージが定着してしまう。 しかし、死んだと世間から思われていた IntelliCAD は、静かにバージョンアップを重ね、着実に実力をつけ、出荷本数も毎年増加を続ける。 1,2年前までは全く無視していた Autodesk社も、最近、IntelliCAD に対して警戒を強めるようになってきた。 IntelliCAD の完全復活、すなわちAutoCAD の手ごわい競争相手となった時、エンドユーザーは大きな恩恵を受けることができるだろう。

| 年代 | IntelliCAD本体 | CADデータベース |
|---|---|---|
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1990
-1996 |
■1990年代半ば
Softdesk 社 (A/E/Cマーケットの米国最大手の AutoCAD アドオンソフト開発会社) 内の開発チームが、極秘プロジェクト (コードネーム "Phoenix") として IntelliCAD の開発がスタートする。 AutoCAD に置き換わる CAD として、当初から 互換CAD を目標に開発が進められる。 |
■1990年~
MarComp 社 が DWG ファイルへ直接アクセスできるツールキット (AUTODIRECT) を開発。 Autodesk社 の登録ディベロッパーとして、このツールキットのライセンスをはじめる。 このツールキットは、暫時改良され DWGファイルの2.5から14までをサポートする。 |
| 1997 |
■1997年3月
Autodesk 社 が Softdesk 社 を9千万ドルで買収する。 これに、アメリカ連邦取引委員会から独占禁止法に抵触の恐れがあるとしてクレームがつく。 話し合いの結果、 Softdesk 社が所有する "Phoenix" の資産および技術者を2007年まで買収または技術者の取り込みはしないという条件で和解をする(FTCレポート※1)。 この後、 "Phoenix" の技術者は、 Boomerang Technology 社 を設立し、 "Phoenix" プロジェクトを進める。 そして、この直後 Visio 社 が Boomerang Technology 社 を 670万ドルで買収する。 ■1997年11月 Visio 社 は IntelliCAD の最初の評価版をリリースする。 |
■1997年
オートデスク社は、自社の利益にならないとして MarComp社 を Autodesk Developer Network から除名する。 |
| 1998 |
■1998年2月
Visio 社 は、 IntelliCAD 98 として、製品版の販売を開始する。 IntelliCAD 98 は、マルチバイト文字の処理に問題があり、 Visio ジャパン では、販売を見送る。 ■1998年8月 Autodesk 社は、Visio 社の攻勢に対し、Visio 社の本丸である2次元ビジネスグラフィックツール分野への対抗製品 "Actrix" の開発を発表する。 |
■1998年1月
Visio 社が MarComp 社を買収。Visio 社は、当時2次元ビジネスグラフィックツール分野で急成長をとげ、その商品のカテゴリーから CAD市場 でもAutodesk 社と競合する関係になりつつあった。 ■1998年2月 Visio 社は、 Autodesk 社と戦うため、 CAD データベースのオープン化戦略をとる。まず、非営利団体の OpenDWG Alliance を設立し、買収したMarComp 社 の資産を無償で提供する。そして、世界中の CAD/CAM 関連企業に参加を呼びかける。 |
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1999
-2000 |
■1999年6月
Visio 社は、 IntelliCAD をオープンソースにするため、その運営団体として非営利組織の IntelliCAD Technology Consortium (ITC) を設立。この団体にIntelliCAD の資産を無償で提供する。 ■1999年9月 Mircosoft 社が Visio 社を約13億ドルで買収。 Visio 社は、CAD から完全撤退。 一方、Visio 社の2次元ビジネスグラフィックツールが Microsoft ブランドとなることから、 Autodesk 社は Actrix の発売を取りやめる。 ここに、Autodesk 社と Visio 社の戦いが完全に終結する。 ■2000年 ITC が IntelliCAD V2 (IntelliCAD2000) リリース |
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2001
-2005 |
■2001年
ITC が IntelliCAD V3 リリース ■2003年 ITC が IntelliCAD V4 リリース ■2005年2月 IntelliCAD V6.0 リリース。 AutoCAD 2004 フォーマットに対応する。 |
■2002年
OpenDWG Alliance は、AutoCAD2004 フォーマットに対応した新ツールキット DWGDirect を発表。 ■2003年 OpenDWG Allianceは、Open Design Alliance に組織名を変更する。 |
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2006
-2010 |
■2006月5月
IntelliCAD V6.2 リリース。 ■2007月3月 IntelliCAD V6.3 リリース。AutoCAD 2007 フォーマットに対応する。 ■2007月8月 IntelliCAD V6.4 リリース。 |
■2009年 DRXの登場。 ■2009年 DWGdirect の .NET サポート |
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2011
- 現在 |
■2011月6月 IntelliCAD V7.0 リリース。1から作りなおし、AutoCAD 2010 フォーマットに対応する。 ■2011月11月 IntelliCAD V7.1 リリース。 |
■2010年
OpenDWG Alliance は、DWGDirect に変わり Teigha® SDK ブランドに刷新。 現在、Open Design Alliance の会員は、世界1000以上のメンバー、40カ国の規模にまたがっている。 |